2011年3月27日日曜日

今回の原発災害の報道では、状況の変化がわかりづらい。各地の大気、浄水場、土壌などから放射性物質が観測されている事から、汚染範囲が拡大しているのはわかるが、福島第一原発敷地内の定点で放射線濃度が記録されていないせいだ。 {左:福島1.jpg} 常設してあるモニタリング・ポストが地震による影響で故障したため、福島第一原発内の放射線濃度は外部からは分からない。しかし、東京電力からは、3月11日21時からモニタリングカーによる正門もしくは正門付近でのγ線と中性子の測定値が公開されていた(東京電力)。 ところが3月16日14時から、21日18時まで、正門の放射線濃度の測定値は公開されていない。時系列データの欠損は、後日の状況の検証を難しくするので好ましくない。 1. 正門計測データの空白 以下は16日までの計測値をまとめたグラフだが、現場でのアクシデント発生の影響を見て取ることができる。3、4号機の使用済核燃料プールの発熱が重大な問題を引き起こしている可能性が強い。 <左>{福島第一.png} 以下は21日18時以降の計測値をまとめたグラフだが、たまに放射線濃度の上昇が見られるものの、全般としては200μSv/hで安定していることが分かる。これは一時よりはかなり低い水準で、災害当初から見るとそれなり高い水準だ。ただし、水たまりなど一定量の放射性物質が原発内に滞留している事は報道されており、意外性はない。 気になるのは、21日18時台の最大値1,105μSv/h、19時台の1,201μSv/h